普段中国出張時に滞在する広東省の市街地では(他の地域も同じかも知れまんが)水はけの悪いところが多く、
短時間に少しまとまった雨が降ると、すぐに水が溜まって道路が川のようになってしまうことが頻繁にあります。
少し前のことですが、佛山市のとある工場で打合せをしている時に激しい雨が降ってきて、辺り一面が水浸しに
なってしまいました。それでも昼になれば食事に行こうというのが中国人。どんなに天気が悪かろうが仕事が
忙しかろうが、食べないわけにはいきません。でも確かに食事は大切、腹が減っては戦はできません。
何とか水の少ないところを選んで運転する社長の車で連れられて、近所の広東料理のレストランの前に到着した
のですが、道路はもちろん、店の中まで水が入りこんでいて、車から降りることすら出来ない状態です。
さすがに休業中かと思ったのですが、何とお店は通常営業中らしく、奥からは美味しそうな匂いがしてきます。
いやいや、さすがにここはやめておこうと言ったのですが、社長は大丈夫大丈夫、全く問題無しと満面の笑み。
お店のスタッフも表までとんで来て、奥の方は水がありませんから大丈夫です、どうぞどうぞお入りくださいと。
入り口から店の奥まで椅子が並んでいるけど、まさかこれを伝って店内に入れというのでは?と思ってみたら、
まあ、言うまでも無くやはりその通り。社長は先に椅子の上をトントントンと渡って行ってしまいました。
仕方なしに私も後を続くと、中では店員さんが長靴を履いて仕事をし、奥の方では確かにお客さんがテーブルに
ついて食事をしている様子。。。
後ろを振り返ると、次のお客さんが店員さんに誘導されて普通に入ってきます。
本当に中まで水浸しです。
まだ水が回っていない、店の裏の外のテーブルで何とか食事を始めたのですが、雨の勢いは収まらず、あっと
いう間に我々の席の近くにも水が迫ってきてしまいました。それでも社長、あと30分は大丈夫と言って席を
離れようとしません。もうこうなったら仕方がありません。郷に入っては郷に従えです。私もしっかり食事を
楽しんで、午後からの打合せに備えました。
こんな状況でも営業を続けるレストラン、その商魂たくましさはまさにあっぱれです。