新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時は深刻なマスク不足となり価格も高騰しましたが、同時に
マスクを製造する機械も注文が殺到し、機械メーカーも生産が間に合わないという状況が続いていました。
もともとマスクを生産していた工場の設備増強だけではなく、新しくマスクの生産を始めるところが
急増したため、マスク製造機械の価格も週替わりで跳ね上がっていきました。
特に中国では、それまで金属加工やプラスチック成形、その他家電製品の組み立てなどをしていた多くの
工場がマスクの生産をものすごい勢いで始めたため、次第に市場にマスクは溢れかえり、粗悪品も
たくさん出回るようになってしまいました。
日本でも既に使い捨てマスクが店頭などに並ぶようになり、値段もどんどん下がってきていますが、
中国のマスク製造機械の価格も同様、このところ暴落しています。
N95と同等の性能があると言われるKN95マスクの機械では、つい一ヶ月くらい前には100万元(約1500万円)
ほどが相場であったのが、週ごとに80万元(約1200万円)→40万元(約600万円)→20万元(約300万円)と
下落していき、もう商売にならないと判断した工場が手放した中古の機械もあふれ、今ではスクラップ同然の
価格で叩き売られているものも多くあるようです。
いくつかのお客さまより、そのような格安の機械を調達できないかとの問い合わせをいただきましたが、
中古の機械では品質面で問題無いかなどの検証が難しいと考え、お断りすることにしました。
まだまだ世界中で新型コロナウイルス感染は収まらない状況下、マスクの需要は減らないとは思いますが、
中国マスクは機械も含めて供給過剰な状態です。今後どうなるかは分かりませんが、また需給が逼迫して
価格が高騰したり粗悪品が多く出回るようなことにならないことを祈ります。